外壁タイルの剥落は、見た目の問題だけではありません。過去には人命に関わる大きな事故も起きています。本記事では、タイル剥落の主な原因を解説するとともに、防止方法についても詳しくご紹介します。なぜタイルが剥落してしまうのか、防止するにはどうしたらよいのかをしっかりと把握し、事故を未然に防ぎましょう。
目次
【タイル剥落の原因①】経年劣化
建物が長年風雨や紫外線にさらされることで、タイルや接着剤の劣化が進行します。特に築年数が10年以上の建物では、外壁のタイルが紫外線による色あせやひび割れ、さらには雨水の浸入による浸食が起こりやすくなります。
また、接着剤自体も経年により接着力が低下し、タイルとモルタルの間に浮きが発生します。このような浮きが進行すると、最終的にはタイルの剥落に至ることがあります。
【タイル剥落の原因②】施工不良
タイルの貼り付け時に使用する接着剤の量が不十分だったり、タイルの位置が正確でなかったりすると、モルタルとタイルの間に空洞が生じることがあります。また、目地材の充填不足や適切な養生期間の管理がされていない場合も、接着不良の原因となります。
このような施工不良により、タイルが正しく接着されていないと、経年と共に剥落のリスクが高まります。また、建造物自体の寿命も短くなっている可能性があることにも注意が必要です。
【タイル剥落の原因③】地震や台風などの自然災害
地震による建物の揺れや台風の強風は、外壁に貼られたタイルに強い負荷をかけます。また、これらの自然災害に伴う急激な環境変化や、外壁に浸入した雨水による影響で、接着剤やタイル自体の劣化が進むことがあります。
特に、既に経年劣化や施工不良の兆候がある建物では、自然災害がタイル剥落を引き起こす決定的な要因となることも少なくありません。
タイル剥落は事故につながる可能性がある
外壁からのタイル剥落は、単なる建物の問題にとどまらず、深刻な事故を引き起こすリスクがあります。
特に、剥落したタイルが歩行者や車両に直撃してしまった場合、人命に関わる重大な事故が発生することがあります。例えば、北九州市で発生した事故では、タイルの剥落により二人が亡くなり、一人が重傷を負いました。また、過去にはタイルが落下して自動車に損害を与えた事例もあります。
このような事故が起こると問われるのが責任の所在です。建築基準法では、建物の所有者や管理者が損害賠償責任に責任があり、定期的な建物診断と異常があれば修理補修を行うと決められています。
タイル剥落を防ぐためには定期的な点検と修理が重要
外壁からのタイル剥落を予防するためには、外壁の定期的な調査が必要です。
調査では、単に目視でタイルの状態を確認するだけでなく、目に見えない浮きや剥離の兆候も徹底的にチェックします。こうした調査を行うことで、タイルが実際に落ちる前に適切な対策を講じることができ、事故発生後の修繕に比べて低コストで安全に対処することが可能となるのです。
専門家による外壁調査では、以下のようなポイントを重点的にチェックします。
– タイルの浮きやひび割れ、劣化状況
– 目地の劣化や欠損、破損
– シーリング材の劣化
– 壁体の状態
– 雨水の浸入状況
– 浮きやひび割れの有無
さらに、調査の結果異常が発見された場合には、浮きやひび割れの補修、目地の打ち替え、欠損や破損の修理、シーリング材の交換、防水対策、タイルの張り替えなどが必要になります。これらの修繕作業には費用がかかりますが、事故が発生した後のリスクやコスト、そして大規模な修繕が必要になる可能性を踏まえると、初期段階で対処することをおすすめします。
タイル剥落に関するQ&A
Q.タイルが剥落しそうな場合の応急処置はどうしたらいい?
タイルが浮いている、または剥がれかかっている場合、すぐに修繕を行うのが理想的ですが、資金的な制約や計画上の都合で即座の対応が難しいこともあるでしょう。そんな時におすすめな応急処置が「タイル剥落防止ネット」の設置です。
タイル剥落防止ネットは一時的な措置として設置されることが一般的ですが、実際には数年間そのまま設置しておいても問題ありません。そのため、急場しのぎと考える必要はなく、安心して使用できます。
また、部分的にタイルが落下してしまった場合は、雨水がコンクリート内部に浸入し、鉄筋が腐食するリスクがあります。このような場合、まずは剥がれた部分を応急的にモルタルで埋めるか、タイルを部分的に貼り替える必要があります。しかし、これだけでは他の部分の剥落リスクが残るため、全面的な打診調査・修繕を行うことをおすすめします。
Q.タイルのメンテナンスはどのくらいの頻度でしたらいい?
建築基準法に基づき、マンションなどの所有者は定期的に有資格者による外壁タイルの状態を調査し、その結果を特定行政庁に報告する義務があります。この調査は、2〜3年ごとの「目視および部分打診調査」と、10年ごとの「全面打診調査」が基本とされています。
10年ごとの全面打診調査では、建物全体に足場を設置して徹底的な点検を行う必要があります。そのため、このタイミングで外壁タイルの全面的な修繕工事を行うとよいでしょう。
まとめ
外壁タイルの剥落は、経年劣化や施工不良、自然災害などが主な原因として挙げられます。これらの問題は、定期的な点検と適切なメンテナンスによって予防することが可能です。特に、外壁調査を2〜3年ごとに行い、10年ごとに全面打診調査を実施することで、早期に異常を発見し、適切な対策を講じることができます。また、タイルの浮きや剥がれが見つかった場合には、速やかに専門家に相談し、必要な修繕を行うことが重要です。
タイル剥落による事故を防ぐためには、日頃からの注意と定期的な点検が欠かせません。
トリプルワイでも外壁調査やタイルの修繕、落下防止ネットの設置などを行っています。タイル剥落の被害を出さないためにも、ぜひご活用ください。
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タイルの剥落にお悩みの方はぜひ一度こちらまでお問い合わせください。