マンションの外壁タイルの修繕工事は、見た目をきれいに保つだけでなく、建物の安全性や資産価値を維持するためにも欠かせない重要な工事です。
しかし、実際に見積もりを取ってみると、思った以上に高額な費用に驚く方も多いのではないでしょうか。
本記事では、マンションの外壁タイル修繕にかかる費用の相場や、高額になる理由、見積もり時の落とし穴、費用を抑えるための工夫など、知っておきたい情報をわかりやすく解説します。
目次
外壁タイル修繕にかかるマンションの費用相場はどのくらい?

外壁タイルの修繕費用は、マンションの規模や立地、修繕の範囲によって異なります。ここでは一般的な相場と、その費用構成の内訳について見ていきましょう。
30万〜50万円程度/100㎡が一般的な相場
マンションの外壁タイル修繕の費用は、100㎡あたりおおよそ30万〜50万円が相場です。もちろん、これは部分補修か全面張り替えかによっても変動しますが、部分補修であれば比較的安価に収まります。
建物の築年数や劣化状況によっては、さらに費用がかかる場合もあります。修繕計画を立てる際には、余裕を持った予算設定が重要です。
また、修繕の時期によっても費用が変わることがあるため、早めの計画がコストダウンにつながることもあります。
全体的な費用は、「足場代」「下地補修費」「タイル張替え費用」「諸経費」などで構成されています。
高層マンションでは足場代が費用の多くを占める
10階建て以上の高層マンションになると、足場の設置だけで数百万円かかることもあります。高所での作業は安全確保が必須のため、仮設工事には特に費用がかかります。
また、高層建物ではゴンドラやクレーンなどの特別な設備を使用する場合もあり、これらの設備費用も上乗せされます。
足場の設置や撤去にも時間がかかるため、工期の長さも費用に影響します。
このように、建物の高さが修繕コストを大きく左右する要素の一つです。
下地補修の有無で費用が大きく変わる
外壁タイルの見た目以上に、下地の状態が費用に直結します。例えばコンクリートの浮きやひび割れなどがあれば、下地から補修する必要があり、その分コストが増加します。
調査段階ではわからなかった劣化が工事中に発見され、追加費用が発生するケースも珍しくありません。
こうした追加工事が起きないよう、事前にしっかりと劣化調査を行い、正確な診断を受けることが重要です。
また、信頼できる業者であれば、下地補修の必要性を丁寧に説明してくれます。
地域によって施工単価に差がある
外壁タイル修繕の施工費用は、地域によって施工単価に差が出ることがあります。都市部では人件費や材料費が高く、地方と比べて全体的に費用が上がる傾向があります。
また、交通費や出張費が加算される場合もあるため、地元密着型の業者に依頼することでコストを抑えることが可能です。
エリアによっては、補助金制度や助成金が利用できる場合もありますので、各自治体の制度を調べてみるとよいでしょう。
同じ工事内容でも、地域によって数十万円以上の差が出ることもあります。
なぜマンションの外壁タイル修繕は高額になるのか?
外壁タイル修繕が高額になる背景には、いくつかの専門的な理由があります。ここでは、その主な要因を解説します。
足場設置が必要だから
足場の設置は、安全な作業環境を確保するために不可欠な工程です。これには資材費、人件費、設置・解体費などが含まれ、全体の費用の30〜40%を占めることもあります。
特に高層階では、足場の種類も特殊なものになり、価格がさらに上がることもあります。
作業員の安全確保のため、法令でも足場の設置が義務づけられています。
また、設置と撤去にも時間がかかるため、工期も長くなりがちです。
劣化調査や打診検査などの診断作業が入るから
タイルの浮きやひび割れを調べるには、専門的な診断作業(打診検査や赤外線調査など)が必要です。これらの検査にも費用が発生し、全体のコストを押し上げます。
診断結果に基づき、修繕範囲や方法が決まるため、精度の高い診断が求められます。
調査を怠ると、必要な修繕が行われず、後々大きなトラブルにつながる可能性もあります。
そのため、見積もり段階で診断内容や方法についても確認しておくことが大切です。
職人の手作業が多く時間がかかるから
外壁タイルの修繕は、機械ではなく職人の手作業が中心となるため、時間と手間がかかります。特にタイルの色合わせや目地の仕上げなど、細かい作業が多いため、その分コストが増します。
また、職人の技術力によって仕上がりや耐久性も変わるため、安さだけで業者を選ぶのはリスクが高いです。
経験豊富な職人に依頼することで、仕上がりの質も高まり、長期間の安心につながります。
最近では職人不足の影響で人件費が高騰しており、それも費用上昇の一因です。
安全対策や法令遵守の費用が含まれるから
建設業では、労働安全衛生法や建築基準法などの法令に沿った施工が義務づけられています。そのため、安全対策や各種届出、保険料などの間接費用が発生します。
例えば、作業員用のヘルメットや安全帯、作業計画書の作成、第三者への安全対策などもすべてコストとして見積もりに含まれます。
法令を守らない業者に依頼すると、後々トラブルになる可能性もあるため、適正な費用で安全に工事を行うことが大切です。
見積もりを比較する際は、こうした安全関連費用が含まれているかも確認しましょう。
費用をできるだけ抑えるための外壁タイル修繕の工夫とは

外壁タイル修繕は高額になりがちですが、工夫次第で費用を抑えることも可能です。ここでは、予算を抑えるために取り入れたい具体的な方法を紹介します。
足場共用で他の工事と同時に行う
足場を利用する工事は、まとめて実施することでコストを削減できます。外壁タイルの修繕以外にも、屋上防水や窓サッシの交換などがある場合は、同時に行うことで足場代を1回で済ませることができます。
この方法は「一括工事」や「共用工事」とも呼ばれ、全体の修繕コストを20〜30%削減できる可能性があります。
事前に管理組合や専門家と相談して、工事のスケジュールを調整することがポイントです。
ただし、同時工事により工期が延びることもあるため、住民への周知も忘れずに行いましょう。
複数業者に見積もりを依頼して比較する
1社だけの見積もりで決めてしまうのは危険です。必ず3社以上から見積もりを取り、価格や工法、対応の違いを比較検討しましょう。
同じ条件で見積もりを依頼しないと、正確な比較ができないため、要件を統一することが大切です。
また、見積もり内容の詳細まで確認することで、追加費用が発生しにくくなります。
価格が極端に安い業者は、後から高額な追加費用を請求してくる場合があるため注意しましょう。
部分補修で対応できるか専門家に相談する
外壁全体を張り替えるとなると費用が膨らみますが、劣化の程度によっては部分補修で済むケースもあります。
特に、タイルの剥がれや浮きが限定的であれば、その部分だけを補修することで大きく費用を抑えることができます。
ただし、部分補修は周囲のタイルとの色合いの違いが出る可能性があるため、仕上がりにこだわる場合は注意が必要です。
まずは調査・診断を行い、専門家の意見をもとに判断することが重要です。
定期点検で大規模修繕の頻度を減らす
日常的な点検とメンテナンスを行うことで、大規模な修繕の頻度を減らすことができます。早期発見・早期対処ができれば、費用も時間も節約につながります。
点検結果を記録に残し、長期修繕計画に反映させることもポイントです。
また、異常を発見したらすぐに対応する体制を整えることも、マンション管理において重要です。
「壊れてから直す」のではなく、「壊れる前に予防する」意識を持ちましょう。
見積もり前に知っておきたい!マンション修繕の依頼ポイント
正確で信頼できる見積もりを得るためには、事前準備がとても大切です。管理組合や理事会で共有しておきたいポイントをまとめました。
管理組合で修繕の目的と優先順位を整理する
まずは「なぜ修繕を行うのか」「どこまで修繕するのか」を明確にしましょう。目的が曖昧なまま業者に依頼すると、無駄な工事が増えたり、必要な工事が抜けてしまうリスクがあります。
修繕の必要性、予算、住民からの要望などを整理し、優先順位を立てることが重要です。
この準備があるかないかで、見積もりの精度にも大きな差が出ます。
定期総会などの場で、住民との合意形成を図ることも忘れないようにしましょう。
見積もりの範囲や工法を明確にする
どの部分をどのように修繕するのか、見積もり依頼時には明確な条件を提示することが必要です。工事範囲が不明確だと、業者ごとに判断が異なるため、正確な比較ができなくなります。
例えば、「北面のみ部分補修」「全面打診調査後に必要箇所を補修」など、具体的な内容を記載しましょう。
不明点があれば、専門家に見積もり条件の作成を依頼するのもおすすめです。
見積書に記載されていない作業は、追加料金の対象となることがあります。
修繕実績がある専門業者に依頼する
外壁タイルの修繕には高い専門性が必要なため、過去に同規模のマンション修繕実績がある業者を選ぶことが重要です。
施工事例や顧客の口コミを確認することで、信頼性の高い業者かどうかを判断できます。
また、現地調査時の対応や質問への答え方からも、業者の姿勢が見えてきます。
「安いから」といった理由だけで選ばず、総合的な判断を心がけましょう。
長期修繕計画と照らし合わせて検討する
マンションには、将来的な修繕に備えるための「長期修繕計画」があります。この計画と照らし合わせながら、今回の外壁修繕のタイミングや予算配分を見直しましょう。
もし修繕時期がずれていた場合、他の工事と重ねることでコスト削減が可能かもしれません。
また、計画に基づく修繕であれば、住民の理解も得やすくなります。
計画書が古くなっている場合は、修繕の専門家による見直しを検討するのもよいでしょう。
見積もりの際に注意すべき外壁タイル修繕の落とし穴

見積もりの内容には、専門的で分かりにくい部分が多くあります。ここでは、見積書のチェックポイントと、注意すべき落とし穴を紹介します。
見積書に「一式」表記が多すぎる
「一式」とだけ記載された項目は、詳細な内容がわからず、後から追加費用の温床になりがちです。できるだけ「数量」「単価」「工法」が明記された見積もりを選びましょう。
一式表記ばかりの業者は、工事の内容を曖昧にしている可能性があります。
不明な項目は必ず質問し、納得がいくまで確認することが重要です。
不明確な部分を放置すると、完成後のトラブルにもつながります。
タイルの品質や色が明記されていない
外壁の見た目に大きく関わるタイルの品質は、必ず仕様が記載されているかを確認しましょう。
「同等品使用」という表現だけでは、完成後にイメージと違う仕上がりになることもあります。
見本タイルの提出や、実際の施工現場の写真を見せてもらうのも良い方法です。
色味や質感にこだわる場合は、細かく指定しておくとトラブルを防げます。
下地補修の範囲があいまいになっている
下地補修はタイル修繕の根幹となる部分ですが、範囲や方法が明記されていないと、追加費用の原因になります。
「必要に応じて」などの表現は、実際にどこまで行うのかが不透明です。
診断報告書と照らし合わせて、見積もりの補修内容が適正かを確認しましょう。
納得できる内容でなければ、再見積もりを依頼することも可能です。
保証内容が記載されていない
修繕工事には一定期間の保証があるのが一般的です。保証期間や範囲が記載されていない場合は、後の不具合に対応してもらえない可能性があります。
「施工から○年間はタイルの剥離に対応」など、具体的な保証内容を記載してもらいましょう。
また、保証の内容が契約書や見積書に明記されているかも確認が必要です。
信頼できる業者ほど、保証に関しても明確に説明してくれます。
トラブルを防ぐ!外壁タイル修繕の見積もり時によくある問題
外壁タイル修繕の見積もり段階で適切な確認を怠ると、工事中や工事後にトラブルが発生するリスクがあります。ここでは、実際によくある問題とその対処法を解説します。
追加工事で予算を大きく超えてしまう
事前の見積もりに含まれていない作業が、工事開始後に「追加工事」として発生するケースは少なくありません。
「下地が想定より劣化していた」「調査の結果、補修箇所が増えた」など、工事中に状況が変わることもあります。
これを防ぐには、見積もり段階で調査・診断の精度を高め、可能な限り詳細な工事内容を明記してもらうことが重要です。
また、追加工事が発生した場合の対応方法(追加費用の見積もり提出と事前承諾)を契約前に決めておくと安心です。
見積もり内容と実際の施工内容が異なる
見積もり書に記載されていた作業が実際に行われていなかったり、質の低い材料に差し替えられていたりする事例もあります。
これを防ぐためには、工事中に定期的な現場確認を行い、写真付きの報告書を受け取る体制を整えることが大切です。
また、管理会社や外部の第三者に工事監理を依頼することで、施工ミスや手抜き工事を防止できます。
完成後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、適切な監理体制を整えましょう。
工事期間中の住民対応が不十分
工事期間中は騒音や振動、塗料のにおいなどで住民に負担がかかります。そのため、住民への説明や対応が不十分だとクレームやトラブルの原因となります。
事前に説明会を開いたり、定期的に工事のお知らせを配布するなど、住民への配慮が必要です。
業者選定の際には、過去の住民対応の評価や口コミを参考にするとよいでしょう。
また、現場に常駐する担当者(現場監督)の対応力も重要なポイントです。
業者との連絡がスムーズに取れない
質問や確認の連絡に時間がかかる、返信がないなど、業者との連絡がスムーズでないと、工事全体の進行に支障が出ます。
信頼できる業者は、事前の問い合わせ対応からして丁寧で迅速です。
見積もり依頼時の対応や、質問に対する回答の速さなどを確認材料としましょう。
また、契約時には、緊急時の連絡先や連絡方法についても明確にしておくと安心です。
費用や見積もりについてよくある質問とその答え

外壁タイル修繕について、多くの方が疑問に感じる費用や見積もりに関する質問を、Q&A形式で解説します。
外壁タイルの張替えと部分補修ではどちらが安い?
基本的には部分補修の方が安価です。ただし、建物全体に劣化が広がっている場合は、全面張替えの方が長期的に見てコストパフォーマンスが良い場合もあります。
また、部分補修は色の違いが目立つことがあるため、見た目にもこだわる場合は全面張替えを検討するのがよいでしょう。
劣化の度合いや修繕の目的に応じて、専門家と相談して判断するのがベストです。
診断結果をもとに費用対効果を考えることが重要です。
見積もりは何社に依頼すればよい?
理想は3社〜5社程度です。これ以上増やすと比較が難しくなり、情報の整理に手間がかかります。
少なすぎると価格の妥当性や工法の違いがわかりにくくなるため、複数社の見積もりは必ず取りましょう。
比較する際は、単なる金額だけでなく、工事内容や対応の丁寧さ、保証の有無なども総合的に判断してください。
業者によって得意な施工内容や使用する材料も異なるため、見積もりを通じて業者の特徴を見極めましょう。
見積もりの有効期限はどのくらい?
見積もり書には通常1か月〜3か月程度の有効期限が設けられています。これは材料費や人件費の変動によって価格が変わることがあるためです。
提出された見積書には必ず有効期限の記載がありますので、期限を過ぎている場合は再度見積もりを取り直す必要があります。
また、検討期間中に疑問点が出てきた場合は、遠慮せずに業者へ問い合わせましょう。
早めにスケジュールを立てて、期限内に比較・検討できるように準備しておくことが大切です。
管理会社に任せるのと直接業者に依頼するのでは費用は変わる?
一般的には、管理会社を通すと中間マージンが発生するため、直接業者に依頼するより費用は高くなる傾向があります。
ただし、管理会社を通すことで業者選定や品質管理、トラブル対応などの手間が省けるというメリットもあります。
コスト重視なら直接依頼、安心感を優先するなら管理会社経由というように、目的に応じて選びましょう。
いずれの場合も、複数の選択肢を検討して判断することが大切です。
まとめ|マンション 外壁タイル 修繕 費用を抑える見積もりのコツと注意点
マンションの外壁タイル修繕は、見た目の美しさだけでなく建物の安全性を保つためにも欠かせない工事です。費用も高額になるため、正しい知識を持って準備をすることがとても重要です。
相場を知り、比較検討をすることが重要
まずは費用相場を知ることが、適正価格での修繕につながります。その上で、複数社から見積もりを取り、内容を比較検討することで、コストを抑えつつ質の高い工事を選ぶことができます。
相場感を持つことで、不当に高額な見積もりや、安すぎる業者を見抜けるようになります。
見積もりの細部まで確認してトラブルを防ぐ
見積もり書の中には注意すべきポイントがたくさんあります。「一式」表記や保証内容、施工範囲の記載漏れなどに注意し、曖昧な箇所は必ず確認しましょう。
工事中のトラブルを未然に防ぐためにも、契約前の細かなチェックが欠かせません。
長期的な視点で修繕計画を立てる
外壁タイル修繕は1回きりの工事ではありません。将来的なメンテナンス費用や建物の寿命も考慮した上で、長期的な修繕計画を立てることが大切です。
建物の価値を維持し、住民が安心して暮らせる環境を守るためにも、定期点検と計画的な修繕を心がけましょう。
今回の記事が、あなたのマンション修繕計画の成功に役立つ情報となれば幸いです。
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